世界の現場から~JVCの中の人ブログ~

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフ・インターンが綴る、あんなことやこんなこと。

4/25「揺れ動くスーダン情勢〜独裁政権を倒した市民デモと今後の展望」イベントレポート

 

皆さんこんにちは!広報インターンの三浦です。

 

今回は、7月20日に開催されるイベント「アフリカ、スーダンの今を知る」に合わせ、4月25日に行われた「揺れ動くスーダン情勢〜独裁政権を倒した市民デモと今後の展望」に関してのイベントレポートを報告したいと思います。

 

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アフリカ、スーダンの今を知る ―この政変の中で人々は何を想い、どう生きるのか―

  

バシール大統領が約30年にわたって独裁を続けていたスーダンにおいて、昨年の12月から物価の高騰などをきっかけに民衆の反政府抗議デモが続いていましたが、4月11日に軍がクーデターを宣言し、バシール氏は辞任に追い込まれました。

 

その後、バシール氏を長年支えていた軍が暫定軍事評議会(TMC)を設置し、事実上の暫定政権が誕生。しかし速やかな民政移管を求めた民衆がそれに反発、TMCとの対立が続いていました。

 

このように事態が刻一刻と変化していく中でイベントは開催されました。

 

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イベント当日の様子

 

ハメド・オマル・アブディンさん

 

登壇していただいたのは、学習院大学法学部政治学科特別客員教授のモハメド・オマル・アブディンさんとJVCスーダン南スーダン事業担当の小林です。アブディンさんは大学で教壇に立つ傍、スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS/キャペッズ)を立ち上げ、母国スーダンの障害者の教育支援にも取り組んでいます。

 

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ハメド・オマル・アブディンさん(中央)と小林(左)

 

今回のイベントを通じて強く感じたのは、スーダンは常に諸外国からの干渉を受けており、それが国内情勢の不安定化につながっているということです。アブディンさんはサウジアラビア、中国、そしてアメリカという3つの大国の名前を挙げます。

 

サウジアラビアイスラムスンニ派の盟主で、スンニ派が多数派のスーダンに対しても影響力を持っています。クーデター後もいち早くTMCを支持する表明を出し、現在も強い後ろ盾となっています。

 

次に中国です。「一帯一路」政策のもと、アフリカへの多額の投資を進めている中国はバシール政権と友好的な関係を維持してきました。狙いはスーダンの持つ豊富な地下資源資源です。ただ現在は、石油などの地下資源の多くが眠る南スーダンが2011年に独立してしまった為、中国の関心は南スーダンに向いているそうです。

 

最後はアメリカです。スーダンは1993年からアメリカに「テロ支援国家」として指定されて以降、長く経済制裁を受けてきました。その為、スーダンは外国からの投資の不足や経済活動の制限を受けており、そのことがスーダンの経済発展を難しくしています。

アブディンさんは、スーダンが豊かになる為にはアメリカが「テロ支援国家」を解除する必要があると述べていました。

 

そして、もしこの3ヶ国が自国の国益にとって独裁の方が望ましいと考えるのならば、スーダン民主化から遠のくかもしれない、ということでした。

 

小林

 

次に、スーダン南スーダン事業担当の小林からJVCの現地活動への影響についての報告が行われました。

 

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アブディンさん(中央)と小林(左)

 

JVCは、2011年、政府軍と反政府軍による紛争で生じた避難民への緊急支援開始。その後も生計向上支援や出生登録、小学校支援などの事業を通してスーダンと関わっています。小林によると、経済危機と政治の混乱で現地通貨が暴落し、燃料不足などが生じているそうです。ただ残念ながらスーダンを含め、アフリカのニュースを日本のメディアが十分に取り上げてくれているとは言えません。

 

情勢は依然不安定で油断できない、そういう印象を残しながらイベントは終了しました。


7/20 開催イベントのお知らせ
 

イベントから3ヶ月間の間、情勢は大きく動き続けています。

 

6月3日、治安部隊が軍の本部前で寝泊まりしていたデモ参加者の排除に乗り出し、民衆に対して発砲。デモ隊側の発表によると100人以上が死亡しました。事件後もTMCに関する民衆の抗議デモは国内各地で続いていましたが、7月17日にTMCとデモを主導する組織が、新たな統治機構を発足させる合意文書に署名。対立してきた両者による政権運営が本格的に始まりました。統治機構の期限は3年3ヶ月で、その後は民政移管する予定です。ただし、軍の後ろ盾になっているサウジアラビアがデモを主導してきた組織との協力に懐疑的であるなど、合意が履行されるかは不透明です。

 

事態が流動化する中、7月20日JVC東京事務所でJVCスーダン事業現地調整員と、延べ8年間スーダンに滞在していたスーダン研究家の荒井繁氏をゲストに迎えてのイベントが開催されます。本報告会では現場の視点から、今を生きるスーダンの人々の声をお伝えしていきます。お誘いあわせの上、お気軽にご参加ください! 

www.ngo-jvc.net



「ゴクゴク(5959)の日」イベントレポート

こんにちは!広報インターンの三浦です。

 

突然ですが、みなさん!5月9日は何の日だか知っていますか?

 

5月9日は日本記念日協会によって認定された「ゴクゴク(5959)の日」です。おいしい飲み物をゴクゴク(5959) 飲み、かつ、水資源に恵まれない地域でも水をゴクゴク飲めるよう水環境について考えようという日です。今回のイベントを知るまで私はこの日のことを知りませんでした。

 

この記念日を提唱したのは、コンサルタントで、「朝活」第一人者の池田さんです。池田さんは、「乾杯のときに人は必ず笑顔になる」と信じ、5月9日を美味しいお酒をゴクゴク飲む「笑顔を増やす日」にしようとイベントを実施し、収益をNGO等へ寄付しています。

 

JVCはゴクゴクの日のコンセプトに共感し2015年からイベントを開催しており、今年も池田さんと共に、5月9日にイベントを開催しました。昨年に引き続き、”日本酒時間無制限飲み比べし放題”の店舗で話題の「KURAND(クランド)」を運営するリカー・イノベーションさん、そして「社会的なテーマと気軽に出会える場」を創るソーシャルスタンドさんのご協力のもと、なかなか出会うことができない珍しい7種類の日本酒や果実酒の飲み放題が行われました!!

 

 

 乾杯

まずは「KURAND(クランド)」さんからお酒の説明が。

本格的な日本酒から女性に人気のリキュールまで、沢山の種類を用意していただきました。

ミルクリキュールや紋平柿のお酒など珍しいものもありました。

 

ゴクゴクにちなんで、18:59に乾杯!

 

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乾杯の瞬間!!

 

初心者向けのものから日本酒好きの人向けのものまでと、様々な種類が揃っており、あまり日本酒に詳しくなかったですが、どれも飲みやすく美味しかったです。最初は日本酒と聞くと少しハードルが高いようにも思いましたが、そうした思い込みを取り除いてもらいました!

 

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「KURAND(クランド)」さんが用意してくださった7種類のお酒

 

まずはアイスブレイキングから。名前と自分を表すキーワードを記した名札を胸につけ、知らない人同士での自己紹介を行なっていただきました。お酒片手に皆さん和気あいあいと、次第に話も盛り上がりを見せるように。

 

クイズ

続いて広報担当の並木さんからスライドを交えながら水問題に関する説明が行われました。クイズを交えながら楽しく進めていきます!

 

「水問題クイズ!水の惑星、地球上で飲める水は水全体の何%でしょうか?」

 

 ⑴ 10%  ⑵ 0.1%  ⑶ 0.01%

 

私を含め2番に手を挙げる人が多かったです。

 

正解は3番。想像していたよりもはるかに少ない。そういう驚きが参加者の方々の反応から伝わってきました!!改めて水資源の貴重さを実感させられました。

 

その後も、森とともに暮らすラオスの人々の生活、給水施設の不足や衛生問題に悩まされるスーダン、そしてサイクロン被害からの復興支援を必要とするモザンビークなど、水問題に悩む世界の姿が紹介されました。中でも水不足による電力不足に悩むカンボジアの姿は、水資源に豊かな日本で暮らす私にとっては想像もできないような話でした。

 

最後に、ソーシャルスタンドさんのもと、「国際貢献×新しいお酒」というコンセプトでグループごとに分かれてディスカッションが行われました。私たちのグループにはドイツ人の方がいらしたのでディスカッションも英語で。コミュニケーションに四苦八苦しながらも様々な国の食文化に合う新しいお酒、というアイデアが出てきました。他のグループも皆さん、沢山の面白いアイデアを提案してくれました。

 

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お酒のお陰か議論にも熱が入ります😄

まとめ 

今回のイベントを通して気付いたことは、「水」とは人間が生きていく上で不可欠な「資源」である一方、途上国を中心に多くの人が安全な水を利用できないという現実です。

今後も気候変動が進んでいく中で、水不足や災害、それによって引き起こされる貧困や紛争など、水をめぐる問題が世界共通の課題になっていくことは避けられません。しかし、残念ながら水資源が豊富であるという世界でも稀な環境にいる日本人が、そうした世界の問題に対して関心を持つ機会が普段僕にはありませんでした。

 

だからこそ「ゴクゴク(5959)の日」に行われる今回のイベントは大きな意味を持つと感じました。「日本酒を楽しみながら世界の水問題を考える!」という入り口の入りやすさが、今まで水問題に関心がない多くの人たちを巻き込んでいく可能性を秘めているのではと期待しています。

 

そういう意味でも、「来年もまた開催してほしい」という声が聞けたのは嬉しかったです。私も友達などを誘ってどんどん「ゴクゴク(5959)の日」の輪を広げていきたいです!

ニュージランドでのモスク襲撃事件から多文化共生を考える-日本では?イラクでは?

 こんにちは!2019年度広報インターンの守屋です。JVCイラク事業では、多様なバックグラウンドを持つ子どもたちが共生を学ぶワークショップをサポートしています。

 今回、ニュージーランドで起きた襲撃事件を受けて、移民が増えつつある日本でも多文化共生を考えてみようとイベントが開催されました。インターン生として参加してみて、感じたことをブログでシェアしていきたいと思います!

 

 

ニュージーランドで起きたモスク襲撃事件について】

 まずは、今回のイベント開催のきっかけにもなったニュージーランドのモスク襲撃事件について考えていきたいと思います。ニュージーランドクライストチャーチ出身であり、10年間日本に住んでいるエリザベス・ステニング氏からお話していただきました。

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襲撃事件について説明するエリザベス・ステニング氏

 事件は2019年3月15日、ニュージーランド南中部のクライストチャーチで発生しました。イスラム教徒の礼拝が行われているモスクとイスラムセンターの2か所で武装した男が銃を乱射し、わずか1時間で50人の命が奪われるという同国史上最悪と言われる事件となりました。私自身ニュージーランドについてあまり知らなかったのですが、ニュージーランドの人口は全体の約25%が移民であり、多様な人種、宗教の人が共存しているそうです。留学経験のある参加者は「ニュージーランドに行くと、外国人の自分を家族のように受け入れてくれる。」と語るほど、他者を受け入れる意識が高い国だということがわかりました。

 では、一体なぜニュージーランドのような国で他者を攻撃するテロ事件は起こってしまったのでしょうか?そこには実行犯が持つ他者に対する考え方が大きく関わっていました。実行犯がテロを行動に移すまでに至った背景には、白人至上主義を根底に持ち、宗教や人種の違う移民が自分たちの生活を脅かすという過激な思想にインターネットを通して共感してしまったという事実があります。

 

 

 

【これからの日本にも起こりえる?】

 様々な価値観を持つ人が共生する「多文化共生」を実現するためにはどうしたらいいのか、また今回の襲撃事件から日本が学ぶべきことについて明治学院大学准教授 長谷部美佳先生のお話を基に議論が行われました。

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明治学院大学准教授長谷部先生による講演

 私たち日本人にとって「外国人」というと留学生や旅行者といったイメージが一般的ではないかと思います。しかし、現在、日本に長期的に住んでいる外国人の数は140万人と言われ、在留外国人全体の6割を占めています。半数以上が日本に定住しているという事実には驚くと同時に、会社や学校の中で海外にルーツのある人を目にすることは少なくないなと思いました。

今年の4月には外国人に対する法律が改正され、この先日本に長期的に滞在する可能性のある外国人はさらに増えていく可能性が高いと言われています。外国人が増えるということは様々な文化や価値観の人々と出会う機会が増えるということになり、今後、日本はニュージーランドと同様に「多文化共生社会」へ向かっていくと考えられます。

 しかし、日本にはすでに外国人を「自分たちとは異なる存在」として差別する動きがあることが問題視されています。具体的にここ最近起きた事件を挙げると、クルド人少女に対するいじめやフィリピンにルーツを持つ少女が自殺に追い込まれるなどの事件が起きています。また、在日コリアン李信江さんに対する脅迫などもあり、最近の出来事だけをみても外国人を差別する傾向は強そうです。

日本でテロなんて起こらないと考えている人も多いかも知れませんが、テロが起きた原因には国籍や人種、宗教の違いを認めず、排除するという差別が根底にあることを考えると、日本においても無意識に他者を差別している可能性を認識しなければと考えさせられました。

 

【「違うことが当たり前」の価値観を育てるためには】

 では、様々な価値観を持つ人々が同じ社会で暮らす「多文化共生」を実現するためにこれから私たちはどうするべきなのでしょうか?

 多様性が共存するニュージーランドでは小さいころから違うことが当たり前であり、見た目や宗教の違いによって人々を区別することがない価値観が根付いています。

参加者からは「今後の日本を担う子どもたちに教育を通して、多様な価値観を認められるようになってほしい。」「このような問題に興味がない人に関心を持ってもらうためには。」といった意見が多く出ました。今回の議論では、特に学校教育の中で子どもたちが表面的な違いにこだわらずに他者を受け入れる心を持つことが今後の日本において重要だという観点から、教育についての意見も多く述べられました。結論がはっきり出た訳ではありませんが、次世代の子どもたちがお互いに尊重しあえる社会を作るための話し合いは継続して行っていかなければならないと思いました。

また、それらを発信することで差別や今の社会について考えるきっかけになればと思います。島国であり、移民が少ない日本では、「外国人」というレッテルを貼ってしまいがちなのは事実です。私たち日本人も日本から外に出てしまえば、外国人であり、私たちの常識は当たり前ではないことを知る必要があると強く感じました。

 

【自分事として考える】

 皆さんは自分の身の回りにいる海外にルーツがある人について考えたことはありますか?これから様々な人と出会う機会が増えていく時、多文化共生についてぜひ考えてみてほしいと思います。ニュージーランドで起こった悲劇が二度と繰り返されることのないよう自分事として捉え、自分自身の価値観を振り返ってみてほしいと思います。

 

映画『シード ~生命の糧~』特別先行試写会&ミニトーク イベントレポート

 皆さんこんにちは!!広報インターンの三浦です。

 

今日、6月14日に行われたイベント、映画『シード ~生命の糧~』特別先行試写会&ミニトークについて報告したいと思います。

 

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今回は、映画『シード ~生命の糧~』の配給元であるユナイテッドピープル株式会社さんのご協力によって特別先行試写会をやることができました。また上映後に南アフリカ事業担当/地域開発グループマネージャーである渡辺直子さんが、南アフリカの農村での取り組みについてお話しました。

 

 

 試写会】

 

現代、人類史上で最も急速に種子の多様性が失われ、20世紀の間に種子の94%が消滅したと言われています。一体何が起きているのでしょうか。

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人類は1万2千年もの間、多種多様な種子を代々受け継いできました。しかし、20世紀に入ると事態は大きく変化。ハイブリッド種の誕生です。異なる品種を掛け合わせ親の優れた性質だけを受け継いだハイブリッド種は、環境に強く多くの収穫をもたらす一方、一代限りのため、次の世代に種子を受け継がせることができません。企業によって強力なハイブリット種が生み出された結果、天然の種子が淘汰されつつあります。また、ハイブリット種に使われる農薬の有毒性が問題視されています。

 

さらに近年は遺伝子組み換え作物(GMO)が発明され、自然環境や天然の種子に及ぼす危険性の高さも指摘されています。

 

本来、種子とは人類共通の財産であるべきですが、今や化学薬品メーカーを中心とする少数の大企業が特許を取ることでその所有権を独占してしまっています。穀物をはじめ多くの種子は「食料」ではなく、市場で取引される「金融商品」となりました。企業にとっての主眼はいかに利益を上げるかであり、種子の多様性は二の次です。

 

 

【ミニトーク

上映後、南アフリカ事業担当/地域開発グループマネージャーである渡辺直子さんが、南アフリカの農村での取り組みについてお話をしました。渡辺さんによると、南ア政府は当初、農村支援としてハイブリッド種を農村に配布支援していました。しかし、その地域の環境に適した種子でなかった為、土壌の悪化を招いてしまったのです。

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渡辺さんによる南アでの活動説明


また、種子と化学肥料の購入負担が重くのしかかってしまい、農村の自立を促すどころか彼らの多くは借金を抱えるようになりました。こうした出来事は、その地域に昔から根付いてきた天然種子の大切さを見直すきっかけになりました。JVC環境保全型農業の推進を呼びかけており、天然の種子を使うことが持続可能性という視点においても、また農業で暮らす人々にとっても最も大切であると考えています。

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現地の野菜づくりの様子

 

【イベントを終えて】

この映画は、「食と農」という身近だが気づきにくい問題に対して警鐘を鳴らしています。世界中で多様性の大切さが訴えられていますが、種子の多様性という視点を持っている人は少ないのではないでしょうか?

 

勿論、マイナスの側面だけを強調するのは、フェアではありません。いわゆる「緑の革命」をはじめとする一連の農業革命は、品種改良と化学肥料を使うことで穀物の生産性を爆発的にあげました。その結果、食糧危機に苦しんでいた何億人という貧困層の命が救われ、功労者の一人であるノーマン・ボーローグは「奇跡の小麦」と呼ばれる品種を開発したことを評価され、1970年にノーベル平和賞を受賞しました。食糧安全保障という点で、人類は過去70年間ではるかに豊かになりました。こうした功績に関して映画はあまり触れていませんが、決して過少評価するべきではないとは思います。

 

 

【自分たちに何ができるのか?】

その一方で、我々は大きな転換点に立たされているとも感じました。映画を観て考えたのは「豊かさ」とは何なのか?ということでした。幸運なことに、現代日本はかつてないほどの物質的な「豊かさ」を享受しています。しかし、「だから我々は豊かだ!」と言い切れるのでしょうか。

 

例えば、トマトで考えてみましょう。トマトの国内シェアの約70%以上が「桃太郎」という品種で占められています。色々な農家さんが日本各地でトマトを作っているのに、どこのスーパーに行ってもあるのは大体一種類、「桃太郎」だけです。

 

対照的なのがヨーロッパの市場です。数年前にスペインのバルセロナに旅行で行った時、その市場の活気さに加え、品揃えの豊富さにも驚かされたのをよく覚えています。例えば、同じトマトでも種類が何十種類以上もあり、中にはトマトだけでワンコーナー占めている場所もあります。これはサラダ用、これは酸っぱいのでトマトソースに向いている、これは果肉が厚いので詰め物に、と調理に合わせて様々なトマトが存在しています。そこに豊かさのヒントがあるように感じます。

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つまり、豊かさとは「量」ではなくその「多様性」にあるのではないでしょうか。いくらモノが大量にあっても一種類しか選べないのであれば、それはある意味「貧しい」です。沢山の選択肢の中から好きなものを自由に選べる社会、それこそが本当の「豊かさ」だと私は思います!!

 

「種はタイムカプセルだ。」という言葉が映画の中に登場します。種子は過去の情報を保存して未来に実りをもたらしてくれます。種子が消滅するということは、子孫に残すべき未来が消滅するということです。今からでも遅くはないはずです。少しでも多くの可能性を残してあげることが、私たちの未来への義務ではないでしょうか

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種子に起きている危機は見えにくいですが、今も確実に進んでいます。この問題に無関係な人はいません。映画は6月29日(土)よりシアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショーです。皆さんもぜひ映画館に足を運んで、種の問題について考えてみください!!



unitedpeople.jp















2019年度インターンインタビュー①:広報担当 三浦俊太郎

 

はじめまして!2019年度広報インターンの守屋です!

これから数ヶ月かけて、2019年度インターンの紹介から始めていこうと思います!

さっそく第一弾として広報チームの自己紹介から始めさせて下さい。

まずはこのブログの担当でもある広報インターンの三浦くんにインタビューしました!

 

 

 

 

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〖簡単な自己紹介をお願いします。〗

 

現在23歳の大学院修士1年生で国際関係論を専門に学んでいます。好きなものは、チョコレートとUKロック(ビートルズやオアシスetc...)とスペインサッカー(見る専門)です。今まで行ったことある国は、アメリカ、スペイン、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、あと韓国です。座右の銘は「おもしろきこともなき世をおもしろく」(高杉晋作)です。母親の実家が高杉晋作と同じ山口県なのがきっかけです。特技は今のところ特にないので、これから1年かけて何か身に付ければと思っています(*・ω・)ノ

 

〖国際協力に興味を持ったきっかけは?〗

 

特に国際協力に触れる機会もなく、高校まで進学しました。高校では3年間陸上部に所属し長距離走の選手でした。周りの友達と同じように大学に進学しましたが、大学1年生の時に受けた国際関係論の授業で戦争や対立はどうすれば防げるのか、ということに関心を持ちました。その過程で紛争調停や平和構築など海外で活動するNGOにも興味を持ち、国際貢献の分野に進みたいと思うようになりました。そうした思いを心の片隅に抱えたまま大学生活を送っていましたが、大学4年生の時に就職するかそれとも進学してもっと国際関係を勉強するかで迷い、院に進むことを決めました!

 

〖大学院では何を勉強していますか?〗

 

大学院では国際関係論や国際政治史について勉強しています。大学院にはもっと勉強したいというやる気の多い人たちが集まっており毎日凄く大変です。しかしその反面、レベルの高い環境に自分を置くことで日々の成長を実感できています。私の研究テーマは60年代後半から70年代のアメリカを中心とした冷戦外交史です。今は毎日論文(基本英語)ばっかり読んでいます。(´;ω;`)

 

JVCインターンに応募しようと思ったのはなぜ?〗

 

大学院への進学を心に決めた時、この2年間を無駄にしないためにも勉強だけではなく実際にNGOで働くことで国際協力の世界を覗いてみる、ということを心に決めました!

そしてインターネットでNGOについて調べていた時、たまたまJANICというNGOの情報が集まるサイトを見つけ、そこでJVCインターンを募集していることを知りました。他にもNGOインターンはありましたが、1年という長い期間で働けるのはJVCだけでした。それで思い切って応募したらありがたいことに受かりましたヽ(*^ω^*)ノ

実際に働き始めてみて、JVCではインターンであっても自分のやりたいことを自由にやらせてもらえること、1年を通してスタッフによる面談などのサポートが厚いことが魅力だと感じています。

 

〖実際にどんな活動をしているの?〗

 

基本的な内容としてはメディアに掲載されたものの記録やSNS、ブログの更新などです。まだ働き始めたばかりなので、基本的な事務作業を覚えるだけでも今は一杯一杯といった感じです。ただ、少しずつ作業に慣れていったらこのブログを始め、SNSなども積極的にPRに使っていきたいです!またJVCでは、スタッフに加えボランティアの方々も働いており、楽しい雰囲気の中で毎週働けています。

 

〖今後の意気込みを!〗

 

この1年間は広報として色々なことにチャレンジしていきたいと思っています。これからも随時、インターンの簡単な紹介をしていきたいと思っているのでよろしくお願いします!

 

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乗馬体験(ハワイにおいて)

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ソウルのカフェにて

 

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USJにて)

2019年度のインターンブログを始めます❗️❗️

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こんにちは。日本国際ボランティアセンター(JVC)2019年度広報インターンの三浦と言います。今日から新しく、2019年度のJVCインターン生によるブログを始めます!

 

今年度のインターンは広報2名、ホームページ2名、パレスチナ事業2名の計6名です!

 

JVCインドシナ難民の救援を機に1980年に設立された国際NGOです。現在もアジア・アフリカ・中東などを中心に、世界11ヶ国で支援活動を行っています。農業の研修などを通して農村の暮らしを支える「地域開発」、紛争地での医療支援などを通して人々の命を守る「人道支援」、そして現場の声をもとに政府や国際社会に働きかける「提言活動」の3つが活動の柱です。

 

私は普段、広報としてJVCの活動を世間に発信しているのですが、「もっと気軽に国際協力やNGOについて知ってもらいたい!」という気持ちでこのブログを書こうと思いました。国際協力に関するイベントルポを始め、JVCのスタッフやインターンへのインタビューなども考えています。インターンの目線から楽しく情報を発信していきたいです。よろしくお願いします!

 

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広報担当2名

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パレスチナ事業担当2名

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ホームページ担当2名




【スタッフインタビュー⑧】広報担当 大村真理子

こんにちは!国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」広報インターンの藤井です。

今回は前回に引き続き、2015年にJVCのHPで公開されたスタッフインタビューを紹介します!

 

国際協力分野やNGOで働く人って一体どういう人たちなんだろう…?という疑問が解消される内容になっているかと思います!

国際協力に興味がある人、就活を控えている人(私もその1人)、NGO職員のバックグラウンドに興味がある人…皆さんにとって面白い内容だと思いますので、ぜひ楽しみながら読んでください!

 

注:役職は2015年当時のものとなっており、現在とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

 

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特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター (JVC)
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