こんにちは! 2020年度広報インターンの金岡です。
今年は、新型コロナウイルス流行により、インターンも4月から自宅勤務で活動中です。。
早く終息することを祈るばかりです。😐😐
今年度インターンの試みとして、イベントやセミナーに参加し、そこで思った感想や気になったところを、気軽に皆さんと共有できるブログを作成していきます。
学生ならではの未来の希望にあふれた新鮮な視点をお届けできるように頑張ります!!
さて、8月12日に、[モザンビークで何が起きたか? オンライン生報告]という、JVC主催のイベントが開かれました。
このイベントは、JVC東京事務所スタッフの渡辺直子と、聞き手のジャーナリスト・堀潤さんとの対談形式で行われました。
2013年からモザンビークにおけるプロサバンナ事業への政策提言を行ってきた渡辺さんの熱い想いが2時間語られます。🔥
堀潤さんのYouTubeチャンネルにイベントのアーカイブ動画があがっているので、ぜひご覧ください⇊⇊
そもそもプロサバンナ事業ってなに?
と思った方は、3月に掲載された以下の記事に概要がまとめてあるので、参照してみてください!
インターンが見た!【プロサバンナに関する国会議員主催勉強会】 - 世界の現場から~JVCの中の人ブログ~
気になったポイントまとめ
今回はYoutube動画とも合わせながら、私が印象的だったポイントをご紹介したいと思います!気になったポイントは、全部で3つです!(時間はYouTube動画の時間です。)
1、茂木大臣が「中止ではありません、完了です」といっていた件。(10:12~)
2、南アフリカの農民と、モザンビークの農民の違い(15:00~)
3、既成事実はどう作られているのか(1:06:00~)
私は現在大学院で国際開発を学んでいます。同級生は海外からの留学生がほとんで、国際色豊かな環境だと思っています。また、JICAの方からのお話や考える機会もあり、そこで学んだことをブログにも活かしていこうと思います!
それでは、1つずつみていきましょう👍👍
1、茂木大臣が「中止ではありません、完了です」といっていた件。(10:12~)
まず初めに、渡辺さんはプロサバンナ事業についての概要をお話しされます。そのなかで、「結論からいうと…」と次の発言をされます。
渡辺:先週土曜日にTBSのニュースで茂木大臣が「中止ではありません、完了です」との事をいっていた。
プロサバンナ事業を象徴的する発言だと思う。現地市民による問題や指摘を認められず、隠そうとし、ごまかしを上塗りする。どんどん上乗せされていって、結果としてごまかしが悪事になっていった。それには、介入や分断、脅迫や弾圧、情報秘匿などがあり、これに35億もの税金が投じられた。2018年の8月、現地で違憲判決まで出ている事業。悪事の上塗りをJICAが中心となって税金をつかって行っていた。
開始早々、渡辺さんからの強烈なコメント。悪事の上塗りとは何なのか。しかも税金が絡んでいる…?皆さんも一気に話に引き付けられていったのではないでしょうか‥??
渡辺さんはこの発言の直前に、なぜプロサバンナ事業は「完了」ではなく、「中止」だと思うのかを説明しています。詳しくは動画を見ていただきたいのですが、簡単に説明すると、
事業の3本柱の活動のうち、本来2013年に完了予定で、事業の根幹をなす、長期に渡る事業計画づくり「マスタープラン策定」が完了していないので、この終了は「中止」「頓挫」を意味する
ということです。
これは、事業をしている側(計画を建てる側)と第三者側の視点の違いではないかと考えることができますね。
100%やるはずだったテスト勉強も誘惑に負けて70%しかしてないけど、悪くはない点数とれたから、まあテスト勉強はできたといってもいいよね…って考えがちですよね(筆者体験談)
ただし、この例えとプロサバンナ事業の違う点は、私たちの税金がプロサバンナ事業には使われているという点です。
税金を使う以上、事業の過程と結果には責任が伴います。(私がテストで点をとれなくても、他の人は困りません)
この点において、プロサバンナ事業では現地農民の反対の声を適切に聞けてないことなどの過程に懸念点が存在するので、一旦立ち止まって計画を練り直しましょうと言っていたのが、現地農民と渡辺さんら市民社会の意見です。
報告会では、農民のためにとるべき行動ではないな、と思うような日本側の対応が何個も指摘されています。しかし、それを簡単に認めて責任をとるような純粋な世界はこの世の中に存在しませんよね…。
この1番目のテーマを打ち込んでいる際に、予測変換に
「中止ではありません、官僚です」と出たことに、パソコンとの意思疎通の可能性を感じました。
2、南アフリカの農民と、モザンビークの農民の違い(15:00~)
渡辺さんは、南アフリカの農民はアパルトヘイト後の復興期に、国内外から「モノを与える援助」が押し寄せたという歴史から、人権回復=「ものをもらう」意識が形成されてきた。一方で、JVCの活動を通じて、自給農民の強さや意義を感じてきた…と。
そういうなかで出会ったモザンビークの農民が出した声明
「農民は生命や自然、地球の守護者である。小農運動としてのUNACは、自分たちの農業に基づいた生産モデルを提案する。ということを言っていた。」
に出会い、渡辺さんはモザンビークの農民に感銘を受けたことが、プロサバンナ事業に積極的にかかわる契機となったとおっしゃっています。
私はこの体験談を聞いていて、ハッとさせられました🙈🙉
なぜならば、国際開発を普段学んでいる身としては、対話などを通じた被支援者への深い理解が必要だと、耳にタコができるくらい聞くわけです。。
国も違えばそこに住む農民のニーズは違うわけですが、農民自身の意識や行動性の違いには気づけていなかった自分がいました…(小声)
ここで、国際開発の難しさを改めて考えました。開発は、被支援者のニーズを満たしていくものですが、ニーズに始まり、事業の進め方、事業後の対応など、個別具体的に解が変わっていくのだと思います。
まるで、子育てのようですね…。👶国際開発は、もちろん親と子のように垂直的関係で行われるものではありませんが、身近な例として想像しやすいと思います。
子どもの成長に伴って、夜泣きしたり、人見知りしたり、イヤイヤ期が始まったりするわけで、それぞれに対応していくわけですが、本当に何が最適解だったのかは誰にもわからないですよね…?
あえて放任してあげた方がいいのか、それとも背中を押してあげたほうがいいのか。
その子どもの個性を理解して、親も学んでいくという姿勢が必要かもしれません。
(23歳学生より。)
3、既成事実はどう作られているのか(1:06:00~)
開発事業には、被支援者とのコミュニケーションが重要です。ここをおろそかにしてしまうと、まずは被支援者コミュニティに思わぬ弊害を与えてしまう恐れがあります。
その結果、開発事業自体に反感を持たれてしまったり、開発している私たちの国に対しての印象も悪くなってしまいます。そのいい例がプロサバンナ事業なのですが…。
今回の渡辺さんのお話の中で、開発側がこの対話というプロセスを既成事実化したというような事例がありました。
それが、「4色分け」です。詳しくは、動画を見ていただきたいのですが、4色とは、自分たちの開発(プロサバンナ)事業に対する賛成度による色分けです。それをJICAが税金を使って現地コンサルタントを雇用して調査し、事業に賛成してくれそうな団体だけを説明会に呼んで、「市民社会と社会と対話している」というプロセスを作っていたのが後々判明します。
ん…??🙄
と思ったのは私だけでないはず。。結構露骨にやってるな!!とツッコミが入ってしまう勢いですね。
後々というのは、渡辺さんらが情報開示請求を何度も行った結果や、事業主体側(3カ国政府)の内部リークによってわかったということです。
なので、監視の目を光らせていなければ、この事実は外に出ておらず、外側から見たら対話のプロセスを踏んで、説明会でも賛成多数であったという既成事実を作ることができます。
賛成してくれる人だけを呼んで仲良くお話して、「対話した」というのはやっぱり疑問視されるべきやり方ですよね…?
世の中、こうした既成事実化にあふれていると思います。それは、今回知ることとなったプロサバンナ事業だけではなく、公的なものから私的な領域にまでありますよね。
『統治二論』で有名なロックは、生まれた時の人の心は、「タブラ・ラサ」のような状態であると言いました。タブラ・ラサとは、ラテン語で何も書かれていない石板のこと(白紙)を指します。
ロックが生きていた時代の社会は、階級制度が存在し、人は生まれながらに優劣がついていた時代でした。そこで、ロックのこの思想は、それを否定するものとして画期的なものだったのです。
なにが言いたいかというと、常に前提に対して疑っていこうということです。
人間は成長していくにつれ、「タブラ・ラサ」に経験から様々な文章を書いていきます。しかし、文章で「タブラ・ラサ」がいっぱいになると、人は変革することに億劫になってしまいます。
そこで、今自分の「タブラ・ラサ」を一度リセットして、目の前のことを考えてみようという勇気ある決断を取れる人はどれくらいいるでしょうか‥?
自分にできなかったら、勇気のある人にリセットしてもらうのも一つの手なのかもしれませんね。
まとめ
私が挙げた、気になったポイントに共通している点は、コミュニケーション不足から問題が起きていることだと思います。
ただし、コミュニケーションをとっている主体間の関係性に着目することも必要です。友達同士、先輩後輩、個人対組織など、立場が変わればコミュニケーションの質や量も変わり、その視点を持つことが重要なのだと学びました。
また、立場が違えば事業の見え方も違く、被支援者は国や地域によって性格が違うということにも気づくことができました。最後に、既成事実がどう作られたかを確認し、自分を振り返ることの大切さを書かせていただきました。
そしてなにより、渡辺さんと堀潤さんの真理を追究していく熱意がとても伝わり、カッコいいなと思いました!(すでにお二人のファンになっている…!?)
おわりに
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!💕💕
今年一年、この調子でつぶやいていきたいと思います。ブログの書き方を研究中ですので、成長を温かい目で見守っていただければ嬉しいです。
それでは、次のブログでお会いしましょう。