世界の現場から~JVCの中の人ブログ~

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフ・インターンが綴る、あんなことやこんなこと。

2020年度インターンインタビュー⑤ 【玉村 優奈】

みなさんこんにちは。広報インターンの金岡です!

 

2020年度インターンインタビュー第5弾と称して、今回はKOREAこどもキャンペーンインターン玉村 優奈さんにインタビューを行いました。✨

 

KOREAこどもキャンペーンとは 1995年に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で起きた自然災害の緊急支援のために結成された人道支援キャンペーンです。

 

北朝鮮の子どもたちへの食糧支援、医薬品支援、農村部での太陽光パネル設置などに取り組んできました。

しかし、この過程で日本社会では理解を得ることが難しい現状があり、東アジアで平和の輪を広げていくためには相互理解が必要という思いから、2001年に子どもの絵画交流「南北コリアと日本のともだち展」を他団体とともに開始しました。

 

さらに2012年からは日本の大学生と平壌外国語大学日本語学科の大学生による「日朝大学生交流」も実施しています。

 

「考え続ける人」で、質問力がすごい!印象の玉村さん。なかなかお会いする機会も無かったので、玉村さんの個性や思考を深堀させていただきました! 👍

 

それでは、インタビューに参りましょう!!

 

 

はじめに…自己紹介をお願いします!

はい。KOREAこどもキャンペーンインターンの玉村です。大学では開発と国際協力について学んでいます。

卒論は「JICAの環境社会配慮ガイドラインー異議申立案件をめぐってー」という題名で、ミャンマーとプロサバンナでの事例を扱い、見過ごされる配慮がどのようなものであるかを書きました。大学院に進学予定です。

 

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インタビューが始まりました!!
国際協力に興味を持ったきっかけは何ですか?

たくさんの要因があります。

 

国際協力に興味を持つべき人生だと考えたきっかけの1つは、高校生の時にインターアクトクラブ(ディベートをする部活)に入っていたことです。ディベートには準備型、即興型があるのですが、準備型英語ディベートで、「日本は自衛隊PKO活動に積極的に参加させるべきか」という議題で、賛成・反対の両方の立場を半年間の準備期間を用いて参加しました。

 

大きく衝撃を受けたのは、PKO隊員が現地の人にレイプや誤射で被害をもたらしたことです。平和のために作られ、争いの抑止力が期待されている組織なのに、現場では必ずしもうまく機能していないことに疑問を抱きました。

こういったところに違和感を覚え、もっと国際協力という分野を深く知りたくなり、現場での被害をどうやって少なくしていくかに興味を持ちました。

 

自分がただ議論するだけではなく、行動できることは何かと考えた結果、大学でも国際協力を続けて学ぼうと思いましたし、形に残るものとして卒論も書きたいと思ったんです。

 

高校時代の学びから、日本という国が海外の国で開発をするときに、被害ばかりを与えてしまっているのではないかと懸念するようになり、開発において被害を生まないように配慮するためには、どのような視点が環境社会配慮ガイドライン改定に必要なのか考えながら研究しました。

 

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大学でもディベートを続けているそうです!!
元々こどもの時から国際協力に興味はありましたか?

強く興味を持ったのは高校生の時ですが、こどもの時からも興味はありました。

 

小さい時にはガールスカウトに入っていて、募金などの慈善活動を日常的にやっていたことや、親族の知り合いに海外の方がいて、家でよく遊んでいたので、日本だけではなく、国際的なことに興味を持つことができた環境でした。

 

また、大学2年生の時にフランスに留学しました。フランス留学時に、韓国や台湾出身の学生と仲良くなり、お互いフランス語で喋っていたのですが、問題意識が似ていてたのが印象的でした。その際に、日本の近隣諸国にも目を向けなければならないと思ったので、KOREAこどもキャンペーンでインターンを受けようと思ったんです。

 

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フランス留学時代の玉村さん。
「KOREA こどもキャンペーン」の普段の業務についてお聞かせください!

普段の業務は情勢ウォッチをしています。南北朝鮮のニュースを読み、日本との関係も踏まえながら重要なものをまとめて一か月分の報告をしています。

 

また、「東北アジア大学生平和交流プログラム」内で勉強会をしていて、その報告書やブログ作成を行ったり、「南北コリアと日本のともだち展」のイベントに参加して写真撮影やブログを書いたりもします。

 

私は、日朝間のニュースをしっかり把握したかったので情勢把握をしていますし、良い勉強の機会だと思っています。日韓の若者間の交流イベントの開催や在日コリアンの方々との交流会に参加することで、政治的な情報を得ると同時に個人的なプライベートの面での関わりを持つことができました。

 

KOREA こどもキャンペーン」の課題やこれからしたいことはありますか?

2020年は新型コロナウイルスの流行によって、例年行われていた対面での交流というものが難しくなってしまいました。

 

大学生交流など、日朝間のコミュニケーションも難しくなった今、何ができるのかをとても考えました。

 

確かなのは、様々なプログラムに参加した方の話を聞き、活動やプログラムに関わってきた人たちの意見や感想、話を聞くことは貴重であるし、その人たちのつながりは無くしていけないことだと思います。

 

さらに、私たちの問題意識がまだ届いていない人たちへ知ってもらうことも大切だと思っています。なので今は、私たちとその人たちが対面してつながる準備期間だと思って、色んな活動をしていきたいと思っています。

 

個人的には在日コリアンの方たちと交流したり、勉強会でコミュニティを増やしていく予定です。

 

インターンとしては、勉強会で活発に行われた議論をできるだけ言葉にして、議事録にして残すようにしています。そうすれば、次のインターンなど活動に関わっていく人に記憶を継承することができると思うので、しっかりと続けていきたいです。つながりや想いを言葉にして伝えていくことが重要ですよね。

 

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インターンへの熱意、伝わります!!(写真は2019年にグローバルフェスタにJVCのボランティアとして参加したときのものです。)

 

かき氷が大好きと聞きました!まず、好きな味は…?

それは難しい質問ですね(笑)今は、色んなかき氷が出てて、しょっぱい系や甘い系、つくだ煮のようなご飯系のものまであるので、1つに絞るのは難しいんです!基本的にかき氷すべてが大好きで愛してます!

 

作業するときに糖分が必要なので、がっつり当分補給ができるかき氷が好きです。

 

これからクリスマスなんですが、クリスマスケーキの形をしたかき氷とかあったら素敵ですよね!?

 

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これがかき氷!?とても美味しそうです…。
素敵です!!ズバリ、玉村さんにとって「かき氷」とは?

「はかない存在」ですかね。削られた瞬間から溶けてしまう。つまり、最終的には形を留められずに溶けてしまうのが、かき氷のはかなさだと思います。

 

あ、かき氷を好きな人を「ゴーラー」というので、ぜひみなさんも「ゴーラー」になりましょう!

去年は260杯ほど食べましたが、「ゴーラー」の方にはそれを1か月で達成する人もいるので、私はまだまだです…。

 

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ゴーラーへの道はまだまだ続く…。

自分の人生で大切にしていることはなんですか?

2つあります。

 

1つは人脈で、2つ目は考えることです。

 

1つ目の人脈に関しては、大学生になって研究で色んな人にインタビューをしたり、また、イベントに出た時には、様々な情報を教えてくれる人に出会います。

 

ただ情報をもらうだけでなく、その人たちがどのような問題意識を持っているのかを大事にして色んな人と話をしていきたいと思っています。相手の問題意識や人となりを知り、必ず考えるということを忘れないようにしていきたいです。

 

考えることは疑うことでもあると思います。当たり前であると思っていて気づけないことのなかに、私たちの問題が隠れていると思います。身の回りに起きていることを、「どうしてなのか」と疑い、自分が学んだことと結びつけて考えることを日ごろから行っています。

 

私も考えることが好きです!…でも、考えることは疲れませんか?

私は考えることに楽しさを感じる時があります。

 

両親のことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶ人は少なく無いと思います。ある日、私の親はセクシャルマイノリティであること、これまで装ってきた姿であり続けることが苦痛であることを伝えてくれました。以降、私は両親の呼び方を変え、それぞれを1人の対等な人間として捉えるようになりました。

家庭の中で当たり前に使われる「お父さん」「お母さん」という呼び方には性別や社会的役割の意味が含まれ、そう呼ぶことによって相手にそれを期待し、求めてしまうのではないかと考えます。親も1人の人間として生きているので、家庭内では男女、戸籍上の役割に当てはめて呼ぶ必要は必ずしもないと思います。

 

相手のことを考えることって塩梅が大切ですよね…。踏み入りすぎると逆に関係を悪くしてしまったり。。

たとえ相手が怒ってしまったり、悩みを持っていたりしても、どうして今相手がその発言をしているのかを考えることは、配慮ができることにつながると思います。発言の意図を考えることも私は好きです。

 

相手の意図を考えることによって、ポジティブに物事を解釈できるのは素晴らしいことだと思います!

そうですね。現在の社会は、ポジティブであることが大事とされていると思うのですが、ネガティブであることもそのまま受け入れてあげることも大切なのではないかと私は思います。

 

個人的にネガティブに考えてしまう時もたくさんあるのですが、ネガティブな時に思う「辛さ」や「しんどさ」も何か理由があるので、それも考え、要因を挙げていき、少しでもそういうことが起きないようにするために、どうすればよいかを考えることを怠らないようにします。

 

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素敵な考え!!話も弾みます!
玉村さんは普段から質問力がすごいなと思っています。どのような視点から質問を考えていますか?

私が現在所属しているゼミの教授が、「質問は思いつくものではなく、考えて出すものだ」とおっしゃっていました。それ以来、直感的な質問のほかに、相手の原動力はなんだろう、どういう物事の考え方をしているのかなど、相手の人となりに焦点を合わせて思考を巡らせて質問をすることが多いです。

 

あと、私はディベートをやっていたので、質問への瞬発力が養われたのだと思います。今後は、自分の研究のためにも、相手に配慮した形でもいい質問を考えなければいけないと思うので、質問の結果どういうリアクションが来るかも想定して、質問をした後も、表現や言い方が正しかったのかを自問自答するようにしています。

 

無人島に一つだけ持っていくとしたら…?

想像力です。

 

どんなことも想像することによって生まれてくると思います。人間としてできることは考えることや想像することだと思います。人はいなくてもモノはあるのだから、その辺にあるものがなぜ存在するか、どうやって使えばいいかなど考えていたらあっという間に時間が過ぎると思います。

 

例えば石は、都会で転がっていても特に意味は無いですが、無人島にある石は音を鳴らして動物とのコミュニケーションに使えるかも?といった音としての役割、ミニストーンヘッジを作れたりするかもしれません。

 

――――

 

いかがでしたでしょうか!?

玉村さんは、常に「考えること」を大切にしている人なのだと思いました。

考えることは、相手に配慮することでもある。身の回りの当たり前のことを疑う。

とても素敵な考えだと思います。✨

 

その冷静かつ合理的なイメージと、かき氷に対する愛やテンションの高さとのギャップが私は面白かったです!🤣

 

好きなものに関しては考え続けられるけど、そうではないものも興味を持ってみようと身を引き締めました!!

 

 

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

インターンインタビューは、残すところあと1人となりました。😢

 

最後は、玉村さんと同じKOREA こどもキャンペーンインターンのあの方…?

 

お楽しみに!!👍👍

 

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