お久しぶりです。国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」広報インターンの藤井です。
今回は、前回に引き続きスタッフインタビューをご紹介します!
NGOをはじめ国際協力業界に就職したい人、インターン・ボランティアに興味がある人、必見です!ぜひ最後までご覧ください~
※役職は2015年時点のものです
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こんにちは。広報インターンの清水です。
スタッフインタビュー第5回目は、税理士の資格を生かし、経理担当とイラク事業担当を兼任されている池田未樹さんです。一般企業と同じように、NGOもお金の管理がとっても大切だそう。皆さんからの寄付金をお預かりしているので当たり前ですね。そんな重要な役割を担う経理担当・池田さんはなぜイラク事業にも携わっているのでしょうか。関西出身、コテコテの関西弁をあやつるハイテンションな池田さんに負けじと、素顔に迫っていきたいと思います!(※せっかくなので、池田さんの関西弁はそのままお届けします)
現在はミニマリストという池田さん。
国際協力に携わろうと思ったきっかけは何ですか?
大学院在学中に「世界を変えるオシゴト」という本を読んだのがきっかけです。この本はハーバードのビジネススクールで勉強した女の子2人組が、その後、社会企業家としてチベットの貧困問題を解決していくといった実話が書かれています。
僕は、自分の父親も祖父も起業家だったので、それまでの自分も「会社つくってもうけたれ!」としか考えていなかったところがありました。だって、やっぱり金持ちになりたいやん。めっちゃ金もうけしたいし、良い家にだって住みたいし、良い車に乗りたいやん。誰でもそう考えるやろ?
で、そこでお金儲けするためにはどうしたらいいのかな?と考えた時に、税理士や弁護士、会計士っていうのはビジネスモデルとして原価があまりかからないからいいな、と思ったんです。僕は税理士の資格を持ちいまも週末を利用して税理士として仕事をしていますが、極端に言うと、お金儲けをするために税理士の資格を取ったんです。
清水:なるほど。NGO職員としては、だいぶ異色ですね!
そうやね。僕は大学卒業後は、塾の先生や税理士、通信会社の訪問販売営業をしていました。働くうちに、そこからもっともっとお金を稼ぎたいなと思うようになったんだよね。「稼ぐためにはもっと知識をつけなければ」ということで、30歳を過ぎてから一念発起、大学院へ進学しました。そこで出会ったのが、一番はじめに話した「世界を変えるオシゴト」という本。
読んだとき、「自分の能力を自分の金儲けのためでなく、困難な境遇にある人など他人のために使ってる」ということに非常に感動しました。これまでのお金もうけのことばかり考えている自分とはかけ離れていて、単純にかっこいいな、と思いました。それが2011年、これがきっかけで少しづつ「自分もなにか社会に貢献できる仕事をしてみたいな」と考えるようになりました。
そんな時に、ニュージーランドのクライストチャーチでおっきな地震が起きたんです。少しでも何かに貢献したい、と考えていた時だったので、「現地へいったらなんかできること見つかるやろ」と考えて、大学院卒業後に、そのまま1年間ニュージーランドへ行きました。何のツテもなかったけれど、偶然ヒッチハイクで車に乗せてくれたおっちゃんの縁で、子どもを亡くした親御さんのケアなどをしているカウンセラーの方と一緒に働くことになりました。縁ってすごいよな。
でも働いているうちに、「彼にはきちんとした専門知識があり、それを生かして地域の人の役に立っているけれど、医療の専門知識もなく英語もそんなにできない僕は一体何の役に立っているんだろう」と考えるようになりました。辛かったです。ちょうどそんなときに、たまたま読んだ脇坂税理士さんのブログに、「NGOに税理士として関わることで間接的に国際貢献ができる」ということが書いてあったんです。「そんな方法があるんや!自分には税理士という資格がある。その専門性を生かして、NGOの顧問税理士になればいいんや!」と思い立ち、帰国後にちょうど経理担当の募集していたJVCに「とりあえず、いってみよう」という感覚で応募しました。
清水:ずいぶん変わりましたね。ニュージーランドでの経験がとても大きいんですね。お金に対する考えも変わりましたか?
色々な経験があって、「お金はあったに越したことはないけれど、執着はしない」と思うようになりました。人間って面白いですね。
清水:何かそのことに関するエピソードはありますか?
日本を発つ時に、持ち物を全て処分しました。パンツ7枚、シャツ7枚あれば生きていけるやんって思いました。
現在、経理とイラク事業を兼任していますがそれはなぜですか?
僕がJVCに入った時はちょうど、資金難や色々な理由によってイラク事業を続けるかやめるかの見直しをする時期だったんですよね。何人かの有志で検討チームが結成されていて、自分もそれに参加をしました。見直しの過程の中で実際にイラクへ行ってみる機会があり、現地のNGOとJVCが協働して何をしているのか、自分の目で見て話を聞いて考えることができ、改めて、JVCがイラクでやっていることは意義のある事だと感じました。
なによりJVCと協働で事業を行っている、現地のNGO・INSAN(インサーン)の代表・アリー氏が、本気で自分たちの地域、国に平和を取り戻そうとしている姿勢や彼の人間性に強く惹かれました。
そうした気持ちを日本に持ち帰って、改めてチームで今後を検討した時に、強く「やめたくない。続けたい」と思ったのが、深く関わるようになったきっかけです。現地に行って、実際に見ても活動の意義を見出だせていなかったとしたら、JVCはイラクでの活動を終えていただろうし、自分が関わることもなかったと思います。もともとイラクについて詳しかったわけでもなく、当時はスンニ派やシーア派の違いも分からないほどでしたよ。
豊富な社会人経験はどんな時に活かされているなと感じますか?
会計の知識や経験は、経理担当として何より活かせているなと思います。あとは、JVCって会議が多いし、みな議論が白熱するから議事録をとるのが大変なことが多いじゃないですか(笑)そんな時、大学院で論文かいていたから沢山の文字をパソコンにタイプできるんだな、と思います(笑)
後は月に3回実施しているオリエンテーションが好きなんですよね。社会人時代に営業の仕事をしていて、成績もよかったんだけど、結局、人と話すのが好きやねんな。初対面の人にNGOのこと、JVCのことを伝えるのに当時の経験は役立っているね。あの時はNGOで働くなんて想像もしていなかったけど、結果的に役に立ってる。何事も経験やね。
→つづく…☆
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いかがでしたでしょうか。そろそろNGO職員と一言で言っても多様なバックグラウンドを持った人々がいるんだな、ということがわかってもらえた頃かと思います。
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それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!