世界の現場から~JVCの中の人ブログ~

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフ・インターンが綴る、あんなことやこんなこと。

第19回:経理担当 中原和江

 

こんにちは!広報インターンの庄司です。

 

今回は、2015年にJVCのHPで公開されたスタッフインタビューを紹介します!  

NGOで働く人たちには様々なバックグラウンドがあり、国際協力分野に興味がある人はもちろん、就活中の人などにも面白い内容だと思いますので、是非楽しみながら読んでいただけたら幸いです😊 

 

注:役職は2015年当時のものとなっており、現在とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

 

 

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「私をインタビューするなんて...」と照れている中原さん。可愛らしいショットです!「私をインタビューするなんて...」と照れている中原さん。可愛らしいショットです!

こんにちは。2015年度広報インターンの清水です。昨年10月よりスタートしたスタッフインタビューブログも、ついに最終回を迎えることとなりました!これまで、スタッフの皆さんが国際協力に携わるようになった経緯や、なかなか知ることのできない意外な?一面などをインタビューを通して勉強させていただきました。また、それらを自分たちのものだけにするのではなく、より多くの皆さまにお届けしたいと思ってこのブログを始めたわけですが、いかがでしたでしょうか。このブログを通じて、JVCの魅力的なスタッフを、少しでも身近に感じていただけたら本当に嬉しいです。

最終回を飾ってくださるのは2015年9月より経理を担当されている中原さんです。中原さんは高校を卒業してから一般企業で長らく経理を担当し、JVCの会計ボランティアチームを経て、現在に至るそう。そんな中原さんの魅力をあますところなくお届けしたいと思います!

 

 

企業で長らく経理を担当してきたと聞きました。なぜ経理を?

都立高校を卒業してすぐ一般企業で働きはじめました。配属は営業か経理のどちらかだったのですが、経理は知識もないし嫌だなぁ...と思っていたんです。そしたら見事に経理に当たってしまって(笑)これが私の会計との出会いで、まさかその時はこんなに会計の仕事を続けるなんて想像もつかなかったですね。

でも仕事は始めてみると面白くて、高校卒業したばかりの若い女の子の意見もしっかり耳を傾けてくれる会社だったので、とても楽しく毎日を過ごしていました。ある日、いつものように業務をこなし、ようやくひと段落ついたなという頃に、ふと「高校を卒業してからずっと働いているけれど、ここまま歳をとっていいのかな...。」思ったんですね。それで、辞めるなら区切りの良い今しかない!と思い立ち、5年ほど働いた会社を退職して小笠原諸島へ行くことに決めました。

 

思い切った決断ですね!しかし、なぜ小笠原諸島へ?

趣味のスキューバダイビングをするためです(笑)

働いていた時も、金曜日の夜に荷物を持って八丈島や大島へ行って潜って、1泊して日曜に帰宅、そして月曜日から仕事という流れを月に2回はしていて、今思うと非常にアクティブな生活をしていました。ダイビングの資格は友人に誘われてなんとなく取得したんですが、見事にハマってしまい、今でも数年に1度程度ですが続けています。

小笠原では、海の家に住み込みのアルバイトをしながら、ダイビング三昧でした。何度か来たことがあって知り合いもいましたし、ダイビングセンターの人とも仲良くなり、いつも船でダイビングスポットまで連れて行ってもらいました。元々私は船に乗るとすぐ船酔いをしてしまうのですが、小笠原にいるときは不思議な事に、まったく酔わずに楽しめましたね。

 

ダイビング用の器材をしっかり揃えて、かなりこだわっていたそうです!ダイビング用の器材をしっかり揃えて、かなりこだわっていたそうです!
小笠原の海へは世界遺産になる前から潜っていて、本当にお気に入りの場所だそう小笠原の海へは世界遺産になる前から潜っていて、本当にお気に入りの場所だそう
 

東京に戻ってきてからは、どのように過ごしていたんですか?

戻って求人情報をながめていたら、1つ気になる会計事務所の求人があったんです。前の会社で少し実務経験があるだけで、会計に関わる資格すら持っていなかったのですが、運よく働けることになりました。

その時に初めて簿記検定を取ってみようかな、と思って受験したところ、2級と3級に一発合格!次は1級を、と思ったのですが1級ともなると理論的なことも試験範囲に含まれるので独学は不安に思い、「働きながら専門学校に通いたい」という意向を上司に伝えました。

その時上司に「あなたは単に資格がほしいの?それとも勉強をしたいの?」と聞かれたんです。その時、これまで考えたこともなかったけれど、「私は勉強がしたいんだ!」と気付いて夜間の経営学科の短期大学を受験し、通うことにしたんです。

 

思い立ったら即行動ですね!学生生活はどうでしたか?

授業は18時から始まるのですが、勤め先からの交通アクセスがあまり良くなく、いつも遅刻してしまっていました。でも、"自分が行きたくて行っている"という実感があったので、モチベーションはとても高かったです。遅れて行っても前の方の席に座っちゃうし、とにかく聞き逃すまい!とひたすらメモをとって勉強しました。

卒業する前に結婚をして、卒業後は、子どもをもうけ、子育てをしながら、税理士をめざしました。簿記論のみ科目合格したものの、その後は仕事と家事と子育てに追われ思うように時間がとれず、残念ながら目的はかないませんでしたが、子育ては「この子たちに出会うために生きてきた!」と思うくらい幸せで楽しい日々でした。

 

その後、どうして国際協力の道に?

子育てが一段落してから、学生の頃やっていたバドミントンを再開したのですが、ケガをしてしまい、そのリハビリのために始めた自転車にはまってしまって。1人で計画書を作って、琵琶湖1周(約200km)や沖縄、京都、福島などあちこち行きました。

速く走るのではなく、ゆっくり景色を楽しみながら走るのがとても気持ち良いんです。自転車の聖地とも言われる中国地方と四国をつなげている「しまなみ海道」を走っている時に楽しくて仕方なくて、「人生の半分以上を生きてきたけれど、あと残りの時間、日々、追われた生活をするのではなく後悔のないように生きよう」と強く思ったんですね。

 

琵琶湖を自転車で1周した時のお写真。一度ハマると徹底的にやるタイプだそう琵琶湖を自転車で1周した時のお写真。一度ハマると徹底的にやるタイプだそう
 

また、東日本大震災から1年ほど経った頃、福島方面の海岸を南下するサイクリングへ行った時に、なにもかもが流され家の土台しか残っていない様子を見て、とてつもないショックを受けました。自転車をこぎながら、「こんな風に自転車に注ぐ有り余るエネルギーが自分にあるなら、もっと社会の役に立つことに使うべきではないか」と真剣に思い、インターネットで見つけたJVCでボランティアを始めました。

小さい頃から自分も決して裕福ではない環境でしたが、海外の栄養失調の子供の映像に心を痛め、「不平等」に対する疑問と、「正義とは何か」という思いを強く持っていました。でも何も行動することなく、「国際協力」にまったく接点がない世界で生きてきたんですね。JVCには経理の経験を生かせる会計ボランティアチームというのがあることを知って、まさに「おいで!」と呼ばれているような気がしました。

 

ボランティアチームで活動を続けるうちに、JVC経理のスタッフを募集していることを知り、応募をしてご縁があって採用となりました。ボランティアから有給スタッフになるにあたって、「自分にできるのか」という不安もありましたが、少し大げさですが、世界の平和のため、また、世界の人々が安心して生きられる世の中のために「経理」の経験が役に立つなら、関わりたいと強く思いました。最初に勤めた会社でたまたま経理をすることになり、それが今の自分に繋がっている。とても不思議です。どんな経験も無駄にならないですね。

入職してまだ1年未満、今までにない刺激を既にたくさん受けています。価値観が変わるようなこともあって、毎日がとても新鮮です。でも世界は、頻発する暴力や混乱する情勢で暗澹としています。また、理不尽な扱いを受けざる得ない人々もたくさん存在しますね。自然も守られているとは言えません。どうしてこんなことになるのか、という疑問を解決するためにも、また、少しでも平和に近付けるためにも、JVCの裏方として頑張りたいと思います。

 

インタビューしてみての感想

一見、落ち着いた女性に見えるのですが、お話をするととても活発で面白い方でした。想像を超えたエネルギッシュなスポーツウーマン!たまたま担当することになった経理の仕事では、最終的には働きながら(子育てもしながら!)学校に通って今こうして国際協力に活かしているところはとても素敵で、なにに対しても全力でかっこいいなあという印象を受けました。私もまだまだ頑張らなくては!と思いました。

 

インタビューのために、南アフリカ事業で販売しているHIV陽性者の支援につながるピアスを付けてきてくださいましたインタビューのために、南アフリカ事業で販売しているHIV陽性者の支援につながるピアスを付けてきてくださいました

最後に

今回を持って、2015年度広報インターンの清水、渡邊によるスタッフインタビューは終了します。読んでくださった読者の皆さまをはじめ、お忙しい中時間を割いてインタビューを受けてくださったスタッフの方々、そして私たちの不慣れな企画を最後まで支えてくださった広報担当の大村さん、本当にありがとうございました!

 

次回最終回

最後に、連載を終えたインターンの2人に、広報担当大村が逆インタビューを敢行!
「一番心に残ったエピソードは?」
「この1年を一言で表すと?」
などなど、インターン卒業間近(3月当時)の2人に最後のインタビューを行いました。 お楽しみに!

 

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いかがでしたか?✨

お楽しみいただけましたら幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございます😌

 

それではまた、お会いしましょう!

 

 

 

 

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター (JVC)
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