世界の現場から~JVCの中の人ブログ~

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフ・インターンが綴る、あんなことやこんなこと。

4/25「揺れ動くスーダン情勢〜独裁政権を倒した市民デモと今後の展望」イベントレポート

 

皆さんこんにちは!広報インターンの三浦です。

 

今回は、7月20日に開催されるイベント「アフリカ、スーダンの今を知る」に合わせ、4月25日に行われた「揺れ動くスーダン情勢〜独裁政権を倒した市民デモと今後の展望」に関してのイベントレポートを報告したいと思います。

 

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アフリカ、スーダンの今を知る ―この政変の中で人々は何を想い、どう生きるのか―

  

バシール大統領が約30年にわたって独裁を続けていたスーダンにおいて、昨年の12月から物価の高騰などをきっかけに民衆の反政府抗議デモが続いていましたが、4月11日に軍がクーデターを宣言し、バシール氏は辞任に追い込まれました。

 

その後、バシール氏を長年支えていた軍が暫定軍事評議会(TMC)を設置し、事実上の暫定政権が誕生。しかし速やかな民政移管を求めた民衆がそれに反発、TMCとの対立が続いていました。

 

このように事態が刻一刻と変化していく中でイベントは開催されました。

 

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イベント当日の様子

 

ハメド・オマル・アブディンさん

 

登壇していただいたのは、学習院大学法学部政治学科特別客員教授のモハメド・オマル・アブディンさんとJVCスーダン南スーダン事業担当の小林です。アブディンさんは大学で教壇に立つ傍、スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS/キャペッズ)を立ち上げ、母国スーダンの障害者の教育支援にも取り組んでいます。

 

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ハメド・オマル・アブディンさん(中央)と小林(左)

 

今回のイベントを通じて強く感じたのは、スーダンは常に諸外国からの干渉を受けており、それが国内情勢の不安定化につながっているということです。アブディンさんはサウジアラビア、中国、そしてアメリカという3つの大国の名前を挙げます。

 

サウジアラビアイスラムスンニ派の盟主で、スンニ派が多数派のスーダンに対しても影響力を持っています。クーデター後もいち早くTMCを支持する表明を出し、現在も強い後ろ盾となっています。

 

次に中国です。「一帯一路」政策のもと、アフリカへの多額の投資を進めている中国はバシール政権と友好的な関係を維持してきました。狙いはスーダンの持つ豊富な地下資源資源です。ただ現在は、石油などの地下資源の多くが眠る南スーダンが2011年に独立してしまった為、中国の関心は南スーダンに向いているそうです。

 

最後はアメリカです。スーダンは1993年からアメリカに「テロ支援国家」として指定されて以降、長く経済制裁を受けてきました。その為、スーダンは外国からの投資の不足や経済活動の制限を受けており、そのことがスーダンの経済発展を難しくしています。

アブディンさんは、スーダンが豊かになる為にはアメリカが「テロ支援国家」を解除する必要があると述べていました。

 

そして、もしこの3ヶ国が自国の国益にとって独裁の方が望ましいと考えるのならば、スーダン民主化から遠のくかもしれない、ということでした。

 

小林

 

次に、スーダン南スーダン事業担当の小林からJVCの現地活動への影響についての報告が行われました。

 

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アブディンさん(中央)と小林(左)

 

JVCは、2011年、政府軍と反政府軍による紛争で生じた避難民への緊急支援開始。その後も生計向上支援や出生登録、小学校支援などの事業を通してスーダンと関わっています。小林によると、経済危機と政治の混乱で現地通貨が暴落し、燃料不足などが生じているそうです。ただ残念ながらスーダンを含め、アフリカのニュースを日本のメディアが十分に取り上げてくれているとは言えません。

 

情勢は依然不安定で油断できない、そういう印象を残しながらイベントは終了しました。


7/20 開催イベントのお知らせ
 

イベントから3ヶ月間の間、情勢は大きく動き続けています。

 

6月3日、治安部隊が軍の本部前で寝泊まりしていたデモ参加者の排除に乗り出し、民衆に対して発砲。デモ隊側の発表によると100人以上が死亡しました。事件後もTMCに関する民衆の抗議デモは国内各地で続いていましたが、7月17日にTMCとデモを主導する組織が、新たな統治機構を発足させる合意文書に署名。対立してきた両者による政権運営が本格的に始まりました。統治機構の期限は3年3ヶ月で、その後は民政移管する予定です。ただし、軍の後ろ盾になっているサウジアラビアがデモを主導してきた組織との協力に懐疑的であるなど、合意が履行されるかは不透明です。

 

事態が流動化する中、7月20日JVC東京事務所でJVCスーダン事業現地調整員と、延べ8年間スーダンに滞在していたスーダン研究家の荒井繁氏をゲストに迎えてのイベントが開催されます。本報告会では現場の視点から、今を生きるスーダンの人々の声をお伝えしていきます。お誘いあわせの上、お気軽にご参加ください! 

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