世界の現場から~JVCの中の人ブログ~

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフ・インターンが綴る、あんなことやこんなこと。

エルサレム駐在員に、現地での生活について聞いてみた!

こんにちは!国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」2018年度広報インターンの藤井です。

今回は現地駐在員へのインタビューをご紹介します。

JVCは日本国内に約20人、海外の現場で約50人のスタッフが活動しています。海外スタッフには日本から派遣された駐在員と現地で採用されたローカルスタッフがいるのですが、今回はその駐在員から普段の生活や現場ならではの話をたくさんうかがうことができました!

今回インタビューした駐在員はエルサレム事務所の山村順子さんです。このブログで3回に分けてインタビュー内容をお送りします。

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初回はパレスチナでの日常生活についてです。イスラエルパレスチナと聞くと「紛争地・危険な場所」というイメージがありますが、そこでの生活はどんな感じなのでしょうか?

f:id:ngo_jvc:20180905180223j:plainエルサレム事務所。白い外壁が特徴的。イスラエルのお家はこういった石造りのものが多いです。

 

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事務所の向かいの家。この菱形の飾りはメッカ巡礼を終えた人を迎えるためのもので、夜になるとピカピカ光るとのこと。

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現地にはすぐに溶け込めましたか?

はい!パレスチナでは1人になる方が難しいくらい人があたたかくて、すぐに現地の雰囲気が合うなと感じました。

そもそもパレスチナ人は日本人に対しての印象がすごくいいですよ。よく言われるのは「日本人は話をよく聞いてくれるよね」ということ。アラブ圏や欧米の人たちはどうしても物をはっきり言う傾向があるから、自分たちの主張を押し付けてこようとしているように感じるらしいです。それに比べて日本人は「学びの姿勢」があって、自分たちのことを理解しようとしてくれてる、そういうのがすごく嬉しいと言ってもらえます。ただ、控えめであると自分が損するので、ここに来てからどんどん主張が激しくなってきた自覚があります。黙ってたらやられちゃうから、つい喧嘩腰になりがちです(笑)

 地元の人とはどんな会話をするんですか?

最近バスで、隣に座っていたおばあちゃんに「毛染めの薬を買ったんだけど英語が読めなくて、代わりに読んでくれない?これはどんな色に染めるの?」って言われました。どこか関西のおばちゃん感があります。お節介が普通で遠慮することが失礼な文化だと感じますね。

でもやはり他愛もない話をしていても気づいたら政治的な話になってた、ということがよくあります。日本と違って常に日常に政治問題が絡んでいるので、老若男女問わず政治的な話はたくさんします。

 

普段はアラビア語を使っているんですか?

ガザだとアラビア語しか喋れない人が多いためアラビア語で、エルサレムでは英語とアラビア語両方話せる人が多いため基本英語で仕事をしています。アラビア語は現地に行ってから語学教室に通い始めたのですが、先生がサボっていてここ3.4カ月講座が休みです(笑)

英語はある程度いい暮らしをしている人じゃないと習えないので、アラビア語を話す努力が必要です。でもたとえ拙くてもこちらがアラビア語を話そうとしていることが伝わるだけで一気に雰囲気がよくなるし、受け入れてくれるようになります。特に値段交渉はアラビア語でするときと英語でするときとで本当に対応が変わるので、簡単なアラビア語表現を覚えて使うのは必須です。

 

現地の食事はどうですか?

味は濃いめだけど美味しいですよ!あと、普段の食事は他のスタッフと自炊しています。醤油とみそは事務所に常備していて、お米も食べれます。

エルサレムでは「コーシェル」というユダヤの食の戒律が守られていて手に入る食材が限られているので、テルアビブに行った方が色々な食材が手に入ります。でも近くに市場やスーパーがあるのですごく便利です。卵とか日本で安いものがこっちでは高くて、果物や野菜など日本で高いものがこっちでは安いです。

あと、庭で家庭菜園もしています!

 

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 緑豊かな庭ですね!びわやぶどうがなっているそうです。

 

息抜きにはどういうことをしていますか?

最近は現地のダンスをしています。最初はパレスチナ人と一緒に気軽にダンスをしてたんですけど、気づいたら周りが脱落してて「今残っている人は全員ステージに上がって踊るよ~」と言われてしまいました(笑)なので、今はステージに向けての特訓の日々です。

あと、エルサレムでは健康を考えるパレスチナ人と外国人が集まるサークルがあって、そこでトレーニングをしたり市街地ランをしています。日本でいう皇居ランみたいなかんじで、エルサレムの街を走っています。

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お庭でお昼ごはん。野菜が多めでヘルシーですね。

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ニュースで見聞きする「危険なパレスチナ」というイメージとは違って、現地の人のあたたかさや、市場やスーパーが身近にあるという《普通の日常》が伝わってきたのが印象的でした。

次回は、山村さんの周りでおこった珍事件や中東ならではの経験についてお送りします。お楽しみに!

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 

 

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