世界の現場から~JVCの中の人ブログ~

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフ・インターンが綴る、あんなことやこんなこと。

【スタッフインタビュー⑥】コンサート事務局 石川朋子

こんにちは!国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」広報インターンの藤井です。

今回は、前回に引き続き、2015年にJVCのHPで公開されたスタッフインタビューを紹介します!

 

国際協力分野やNGOで働く人って一体どういう人たちなんだろう…?という疑問が解消される内容になっているかと思います!

国際協力に興味がある人、就活を控えている人(私もその1人)、NGO職員のバックグラウンドに興味がある人…皆さんにとって面白い内容だと思いますので、ぜひ楽しみながら読んでください!

 

注:役職は2015年当時のものとなっており、現在とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

 

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こんにちは。広報インターンの清水です。
スタッフインタビュー第6回目は、学生の頃、JVCが主催している国際協力コンサートを聴きに行ったことがきっかけで、現在コンサート事務局の担当をされている、石川朋子さんです。収益がJVCの活動にあてられるJVC国際協力コンサートは、12月6日(日)に大阪での公演を終え、今週12日(土)には東京公演を控えています。そんなJVCの一大イベントを担当する石川さんは、2児の母でもあります。ご家庭でのことや学生時代のこと、コンサートの魅力についても聞いてみたいと思います!

 

現在は、JVC国際協力コンサートの準備に大忙しな石川さん。

現在は、JVC国際協力コンサートの準備に大忙しな石川さん。

国際協力に携わろうと思ったきっかけは何ですか?

私は愛媛の田舎で生まれ育ったので、子どもの頃は、外国になんとなく憧れを抱いていました。大学で東京に来てからも、「どうやったら外国でボランティアするような人になれるのだろう」とぼんやり考えるだけで、今のようにインターネットも発達しておらず、同じようなことを考える友人もいなかったので特に具体的なことは何もしていませんでした。海外でボランティアすることに関心を持ったのは、小学生の頃に、「ネパールにかけるにじの橋」という本を読んでことがきっかけです。「人に感謝され、働ける」って素敵なことだな~と思い、「将来は人のために何かしたい」と考えていました。

 高校卒業後は東京の大学に進学し、日本語教室でボランティアをしていました。JVCとの出会いが、この「JVC国際協力コンサート」でした。昭和女子大学の学生だった私は、ある日、JVC国際協力コンサートの看板を学内で見つけました。初回の1989年から東京公演は昭和女子大学のお世話になっていたんですね。「国際協力」と書いてあったので、このコンサートに行けばなにか情報がもらえるんじゃないか、と考えて、早速コンサートのチケットを買いました。この時友人も誘って5000円のA席を2つとろうと思っていたのですが、友人にあっさり断られてしまい、思い切って1万円のS席を予約しました。そしてコンサートを聴きにいって、JVCを知って、気がつけば翌月にはJVCの会員になっていました。元々JVCのことを知っていたわけではありませんでしたが、コンサートで配られたパンフレットを読んで、「もっと国際協力について知りたい!」「JVCに関わってみたい!」という想いが大きくなりました。

大学4年生の頃に、JVCと出会った石川さん。大学卒業後の進路はどのように考えていましたか?

実は、大学卒業後はすぐに就職せずにJVCでボランティアをしていました。
周りが就職活動に専念している中で、なぜか「就職しなきゃ」という気持ちになれなくて、就職活動の波に乗り損ねてしまいました。何社か受けてはみたものの、「ここで働きたいんです!」ということがどうしても言えなくて、当然うまくはいきませんでした。

子どもの頃は、保母さんになりかったそう。学生時代のことを、懐かしそうに話してくださいました。

子どもの頃は、保母さんになりかったそう。学生時代のことを、懐かしそうに話してくださいました。

そして、いつものように朝からJVCに来てスタッフの手伝いや事務作業などをしている時、スタッフから「ともちゃん、同じような年齢の人達が夜に集まって、ボランティアチームというのをやっているの。よかったら参加してみたら?」とお誘いをうけ、面白そうだったので参加してみることにしました。その日は火曜日だったので、夜はアフリカのボランティアチーム※注①が活動をしていました。ボランティアチームに入ると、同じ関心を持つ友だちができたり、NGO同士の横のつながりができたりして、それがもう楽しくて、楽しくて...。気がつけばそこが私の居場所になっていました。こうして毎週のように参加していくうちに、未知の世界だったアフリカにもどんどん興味が湧いてきました。

                                     ※注①当時のJVCでは南アフリカだけでなく、エチオピアにも事務所を置いて活動を行っていました。

ただ、ボランティアを続けるうちに「働かないと食べていけない」という基本的なことに気づき、大学を卒業した年の5月頃にようやく就職活動を始めました。その時もJVCから近いところ、ボランティアに行けるように残業がないところという条件でさがし、神田にある企業で一般事務をすることしました。まさにJVCでボランティアを続けることを基準に、就職活動をしていましたね(笑)

ボランティアチームではどのようなことをしていたのですか?

現地から帰国したスタッフの報告会を企画したり、勉強合宿の企画、イベントの時には南アフリカエチオピアの雑貨や食べ物を販売し、コンサートの手伝いなどもしました。当時はボランティアチームとして銀行口座も持っていてお金の管理もしていたので、イベントの収益を使って講師を呼び、勉強会の開催をしたりと、かなりボランティアが自主的に動き回っていましたね~。こうして活動をするうちに、いつしか「現場を見てみたい!」と思うようになりました。その中でも一番の関心は、よくお話を聞いていたエチオピアでした。

エチオピアへの興味が深まる一方で、当時勤めていた会社では有給をなかなか取得することができず現地にも行けなかったので、モヤモヤとしていました。迷いや葛藤もたくさんありましたが、ボランティアの仲間から「やらない後悔とやった後悔、どちらが大きいか考えてごらん」というアドバイスをいただき、私にとって「やりたかったのにやらずに安定を求めた後悔のほうが辛い」と思い、思い切って6年勤めていた会社を退職しました。そして、「とりあえず1ヶ月行くことにして、エチオピア事務所の代表の家にお世話になることにしました。
しかし、現地事務所でのボランティアやエチオピアでの生活が楽しく、当時の現地代表に相談し、JVCの仕事を手伝いながら滞在をのばすことにしました。仕事もやめて来ていたので、帰る理由がなかったんですよね(笑)。一度帰国しましたが、結局、1年半ボランティア、そのあとまた半年滞在することになり、エチオピアには合計2年ほどいました。

 

念願のエチオピア生活時代。週末通っていた「八百屋」のみなさんと。ここで言葉も少しずつ覚えていったそうです。

 念願のエチオピア生活時代。週末通っていた「八百屋」のみなさんと。ここで言葉も少しずつ覚えていったそうです。

エチオピアでは、どのようなことをしていたのですか?

東京事務所との連絡や会計領収証の整理など、主に事務作業をしていました。プライベートでは近所の八百屋で売り子をやっていました。そこでエチオピアの文化や生活習慣、言葉を学びました。週末遊びに行っては、まかないを食べ、野菜や生活雑貨を売り、しゃべり、これは本当におもしろかったです。そして、私が1年半のエチオピア滞在を終え、帰国したあとに、「エチオピアの事務所を閉めるのを手伝ってもらえないか」と声がかかり、短期派遣のスタッフとして三度エチオピアへ。事務所を閉める作業は、決して楽しいものではありませんでした。長年、JVCをお手伝いさんとして支えてくれていた女性に「私に仕事をください。もしくは息子に仕事を見つけてください」と、土下座され、サンダル履きの私の足に口をつけられた衝撃は今でも忘れられません。

その仕事を終え、私が日本に帰ったときに「コンサート担当のポジションが空くのだけれど、やってみない?」と当時の事務局長に声をかけられました。国際協力を仕事にしたいとかNGOの職員になりたいと思ったことは一度もありませんでしたが、長年ボランティアとしてJVCに関わり、この団体の理念や活動に共感していたし、自分自身が国際協力、JVCと出会うきっかけとなったコンサートの仕事ということもあって、「やってみる」と即答し今に至ります。

 

 →つづく…

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いかがでしたでしょうか。

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それでは最後までご覧いただきありがとうございました!

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